続き。音楽編
続きです。
この、立派にいえば本歌取り、悪くいえばパクリに関して、一番懊悩しているのは、やはり作曲家ではないかと思います。
以前になにかで、きいた話ですが、著作権法上は、2小節までなら同じメロディでもセーフ、それを超過するとアウトということになっているらしいです。
これは、著作権法には書いていないので、判例で定着したのかと推定されます。
またこれとは別に、「人間がここちよく感じられるフレーズは断片的に数えて400ほど」という説があるらしいです。
さらに、今の日本、または西洋音楽での音階なんですが、これは完全に1オクターブを12音階に刻むスタイルが定着しているといえるでしょう。(肉声やトロンボーンなどでは、無限に音階をきざめるが、ギターやピアノでは無理。)
……上記の3つの制約によって、悲しいですが、人間に心地よく感じるメロディはもう出尽くしているのかもしれません。
出尽くしたとしたら、あとはもう変拍子をつかうくらいしかないですが、変拍子で成功したメロディラインといえば、ミッションインポシブルのテーマ曲だけなんでわないかと。
……で。ととろが思うに、メロディをもっとも著しくあれしたのは、*神純子のパープルタウンではないかとおもいます。2小節どころか、16小節も連続して酷似というか、おんなじですね。当人も業界もファンもみんなまずいとおもったでしょうね。で、いつの間にか、作曲のクレジットが、当人から、酷似していたポップスの作曲家に変わってしまいましたね。
つぎにととろがまずいだろ、と思ったのは、*高千里のジンジンジングルベル。
これって、有名なジングルベルを、音階で3度下げただけじゃないか?!
(音階の度数は、数え年あるいえ植木算と同様に、自分自身を1度と数えます。
ミに対してミが1度、レは2度下、ドは3度下)
作曲は当人です。こ、これ、いいのかよ、パープルタウンみたいになるんぢゃないか?! と思っていましたが、…………まったく問題になりませんでした。
……これは、セーフなのか?
これがセーフなら、有名なメロディラインを3度あげるか下げるかすればセーフなのか?
あるいは、これこそが本歌取りなのか……。
また、2小節OKルールをついて、アルルの女の出だし2小節をまるまる間奏部分につかったポップスもあったが……、あざとさを感じるんだが……。
クラシックでは、ベンジャミン・ブリテンの、「青少年のための管弦楽入門-ヘンリー・パーセルの主題による変奏曲とフーガ」という曲があります。これは、そのまんまの内容の曲で、パーセルの主旋律をアレンジして、オーケストラの各楽器のソロで部分的に演奏させて、それにナレーションをかぶせて、こどもにオーケストラの理解をふかめてもらおう、とつくられた曲です。これならまさに筋の良い本歌取りなんだが……。
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