定額給付金についてはなあ、いろいろと書きたいものがあるが、なんか民主党政権になって、どうでもよくなってきたが、一応書きます。
まあ、一番最初にこれをぶちあげたのは、公明党だろうと思います。
公明党は、10年前に、地域振興券をぶちあげたわけだし。
それで、今回、最大の失敗は、これは、「12000円を国民にばらまくものではありません、12000円の『給付つき税額控除』です。『給付つき税額控除』とは、…………」と説明すればよかった。
説明をはぶいたがために、ただばらまいたような印象になってしまいました。
「給付つき税額控除」にかんしては、あっちこっちで説明しているのですぐわかると思います。
ごくごく簡単に書くと、「不景気なので、全国民の所得税を12000円ずつ減税しましょう」ということになると、これは、12000円の、税額控除です。ところが、これでは、納税額が1~12000円未満の人には、最大でも納税額が0にるだけだし、納税額が0の人には効果がありません。
つまり、いまたくさん稼いでいる高所得者には減税効果があるが、低所得者にはまったく効果がありません。
そこで、他国では、「給付つき税額控除」という手段が普通に導入されています。これは、たとえば、所得税額が7000円の人には、この7000円の分はなしにして、かつ引き切れなかった分5000円は、給付する、つまり、いわゆる負の所得税、といわれる形で、給付される訳です。
12000円以上納税している人は、単に12000円分が減税になる、12000未満の納税者は、所得税がなくなり、引き切れない分は給付される、というのが、正確なイメージです。所得税額0の人は、12000円が給付されます。
だから、2010年新春の確定申告の時にこれをやれば、税的にはつじつまがあっていたのに、麻生内閣は、すぐやった方が景気(と内閣支持率に)効果がある、というのと、説明をめんどくさがって、国民均等に12000円ばらまきます、というような、おおざっぱなイメージで展開してしまいました。
これをもっとちゃんと説明しておけば、この定額給付金のイメージは全然ちがっていたんじゃないかと思います……。
で、さらにちょっと違うことを書くが、あそうや公明党は、次のような説明(うそだが)をぶたあげることもできた。
「なかなかくらしは大変です。消費税は5パーセントのままです。で、ところで、日本国民のみなさまは、1年間で、最低でも24万円はお金をつかっているでしょう。24万円使うと、その消費税は12000円です。ですので、この12000円は、支払った消費税分から12000円を還付したものだ、と思ってください」
とでもいえば、もうすこしましなイメージだったな。
さて、で、ところが今度は攻守がいれかわって、民主党が、こども手当を出す、といっているな。で、その分は、所得税の人的控除を廃止して捻出、といってます。
もしその形で実現すれば、カネの出入り的には給付つき税額控除と同じスタイルになります。ただし、高額所得者やスーパー高額所得者にもこども手当を出すことが条件です。これはだせばいいんですよ。その方が理屈が通ります。福島さんとかは、こども手当は所得制限をつけろ、といってますが、人的控除は全廃した上で、均等に手当を出した方が理論的には筋が通るでしょう。チェックラインをつくると、そこを下回ろうと、所得をごまかす奴もでてきます。
まああれだ、前政権が、給付つき税額控除を説明しなかった、いわばヒットをうってみたけど、ベースをふみわすれました的な状況でチェンジしたので、民主党はだな、めんどうでも、給付つき税額控除のメカニズムをちゃんと国民に説明して、導入してほしいもんだ。で、これを導入したのは民主党だす! といっていいんじゃないかな。
ひるがえって、10年前の地域振興券も、スティグリッツの地域通貨の考えを裏打ちして展開してやれば、地方分権の第一歩になっていたかもしれないのに……。公明党内では、だれも、地域振興券とスティグリッツをつなげられなかったんだろうか…………。
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